こんにちは。トマトコンシェルジュYumiです。
トマトの魅力を多くの人に伝えたく、トマトに関する情報を発信しています。
昨年9月に、Instagramで知り合ったトマト農家さんに会いに家族で北海道まで行ってきました。
快く迎えてくれたのは、「のんの畑北海道」の川端学さんです。
「のんの畑北海道」のInstagramを発見した際に、プロフィール欄に書かれていた「無化学農薬」、「無化学肥料」、「脱プラ」、「再生可能な農業」というワードと投稿内容に魅かれてトマトとトマトジュースを注文したことが、学さんと出会ったきっかけです。
トマトジュースの美味しさにあまりに感動してしまい、私がオーナーをしているネットショップ「トマト専門店Thanks a lot」で2年前よりお取り扱いさせてもらっています。
さらには「北海道にお越しの際はぜひ来てください」という言葉も間に受け本当に行ってしまう図々しさ!笑
今回はその際の訪問記を書いていこうと思います。どんな人が、どのような想いで、どうやって作っているのかが少しでも伝われば幸いです。
北海道の大自然の中にある「のんの畑」とは?
北海道当麻町、旭川の駅前から車で約30分のところに、川端学(かわばた がく)さんの「のんの畑」があります。
神奈川県出身の学さんが脱サラし、新規就農で始められた農園です。
家々の間隔が離れていて、広大な大自然の中に学さんのご自宅と倉庫、ビニールハウスと路地の畑があります。その広さ、なんと1.5ヘクタール!
のんの畑にはトマト以外にアスパラ、パプリカも栽培されています。手が回らないというエリアには蕎麦も植えられていました。
のんの畑の「のんの」はアイヌ語で「花」。
雑草なども除草剤を使わず増やして、いろんな花が咲くお花畑のような畑にしたいという思いが農園名に込められています。
学さんがこの地にきた時は、先住者が撒いていた除草剤の影響でコケやスギナしかはえてなかったとのこと。
それから数年後の今、以前の光景がイメージできないくらいのお花畑になっていました。
ミントやバジル、ハスカップにラズベリーなど、食べられる植物もたくさん生えていました。
うちの息子は四つ葉のクローバーを見つけて喜んでましたよ♪
のんの畑のこだわり
学さんは、農業をする上でこだわっていることは3つあるといいます。
それが以下のことです。
•薬を使わない
•なるべく草を刈らない
•起こさない(不耕起)
「ケミカルなものはパキッと効きすぎる。」とおしゃり、なるべく自然に近づけたいという思いで、化学肥料、農薬不使用で栽培されています。
害虫駆除は、てんとう虫やカエルの仕事。カメムシが大量に発生した時は、カエルをたくさん捕まえてきてハウスに離すとのこと。
「人やトマトにとっては害虫でも、それを食べる虫もいる。農薬を使うと害虫を食べて生きているカエルなどが生きられなくなる」という学さん。
なるべく自然に寄り添う農業が、のんの畑のこだわり。トマトの葉が枯れてきたら、農薬に頼らず納豆菌を撒いているようです。
有機農家さんで2年間研修を受けた学さんは、最初は土を起こす方法で作物を育てられていたようですが、「不耕起栽培」というものを知ってからは、耕さずにすべて不耕起栽培で育てられています。
まずはビニールハウス1棟で試してみて、美味しく育てられたので、徐々に不耕起栽培の場所を増やしていき、今では全て不耕起栽培で育てられているようです。
耕さない、肥料は入れない。水も定植してからシーズン中は3回しかやっていないとのこと。
それで何であんなに甘くて美味しいトマトがつくれるんですか?
その答えはミミズや微生物との共存にあります。
「この穴がミミズが通った跡だよ」と、土の塊を見せてくれた学さん。
ミミズや微生物がたくさんいる土は団粒構造をつくり、水はけがよく水持ちがよくなるようです。
シーズンが終わったトマトは、下の方の茎を切り、そのままハウスの中で放置。
ビニールハウスの中に敷かれてある藁の下には、昨シーズンの枯れたトマトの茎などが残っているのを見せてくれました。
これが、微生物などのエサになっていい土を作ってくれるんですね。
「不耕起栽培」とは、人の手で土を耕さないだけ。代わりにミミズや微生物、細菌などが土を耕し、フカフカの土壌を作ってくれています。
不耕起栽培をすることで、マルチも使い回しが出来、今使用しているマルチは5年使っているようです。
節約にもなり、環境にもいいですよね。
のんの畑で作られる「たいせつなトマト」とは?
「たいせつなトマト」とは、上記したように、土作りからとっても大切に育てられたトマトなんです。
のんの畑のトマトは苗ではなく、タネから大切に育てられています。
トマトの種まきは、2月とのこと。北海道の2月となると、外は氷点下10度ほどの世界!
そんな環境の中、トマトのタネは約25度を保たなければいけないのです。
育苗ハウスの中で、セルトレイに撒かれたトマトのタネは、電熱温床を使って、さらに上から毛布をかけて温度を保ちます。
少し大きくなると、大きめのセルに移し変え、5月に定植、6月下旬ごろから収穫になります。
「のんの畑」で栽培されているトマトは、中玉トマトのシンディースイートとフルティカです。
ネットで販売されている「たいせつなトマト」は、この2種がミックスされています。
シンディースイートは、酸味と甘味のバランスがよく、シーズンを通して味もほぼ一定。
ただ、フルティカよりも葉カビ病にかかりやすい品種とのこと。
フルティカは酸味が弱め、甘味が強い品種。シーズンの後半の方が味が乗ってくるので、時期によって味の違いがシンディースイートよりも大きいようです。
ただ、シンディースイートよりも耐病性があり、強いとのこと。
私たちが訪問したのは2022年の9月下旬で、トマトの収穫シーズン終了間近な頃だったのですが、
フルティカはまだ元気いっぱいで青々しく、シンディスイートは、葉カビ病でフルティカよりも元気がない状態でした。
どちらも長所と短所があるんですね。
「たいせつなトマト」のジュースがフルーティでなんとも言えない美味しさに仕上がっているのは、この2種がいい塩梅にミックスされているおかげなのです。
13棟あるビニールハウスのうちの7棟でトマトは栽培されています。
「たいせつなトマト」は、ひょうたんスピーカーで音楽を聞かせて育てられているハウスもありました。
なんと、このひょうたんスピーカーは、ひょうたんを作るところから、学さんの手作りとのこと!!凄すぎます!
とっても大切に育てられている「たいせつなトマト」。名前の由来はそれだけでなく、北海道の屋根と言われている大雪山(たいせつざん)の麓で作っているからということからもきているようです。
このたいせつなトマトの販売先は現在、らでぃっしゅぼーや、ふるさと納税返礼品、オンライン(食べチョク、ポケマル、BASE)になるようです。
人を魅了する農場主の学さんとは?
のんの畑の農場主である学さんは、釣り好きが高じて東京の水産大学で生物学を専攻。
「釣りから始まって自然に触れ合うことで自分の人生が作られてきた。」という学さん。
釣り好きは今も健在で、私たちが訪問する前日には鮭釣りに行って14尾も釣れたとのこと!
そんな学さんは、大学院卒業後、食品メーカーの営業として札幌へ。
数年会社員として働いた後、「地に足をつけた生活がしたい」との思いで農業の道に進むことを決められたようです。
「当麻町に来てよかった」その理由は?
田舎で生活をしたいと思っていた学さん。
当麻町を選んだのは、道内で有機農業ができるところを探した時に、有機農業を懸念された地域もあったようですが、当麻町は既に有機栽培をされている方もいて、快く受け入れてくれたからだそうです。
研修中に新規就農する土地を探していたところ、築70年の民家と倉庫、さらにはトラクターと除雪機付きの土地を紹介してもらえたとのこと。
この地が今の「のんの畑」の場所となっています。
当麻町は、程よく都会に近く、程よく田舎なところがいいと教えてくれた学さん。
北海道第二の都市の旭川の中心部から、車でほぼまっすぐな道を30分くらい走れば、のんの畑に着きます。
子どもにも大人にも人気の旭山動物園も、のんの畑から車で15分ほどで行けちゃいます。
やりたいことは自分で叶える姿がかっこいい
学さんのご自宅のお庭にもあたる、のんの畑の片隅には、学さん手作りのピザ窯があります。
「お昼はピザを一緒に作りましょう!」と、パートナーのさわこさんが生地から手作りしたピザを焼いてくれた学さん。
青空の元、みんなで美味しいピザを頬張る至福の時間でした。訪問してから数ヶ月経った今でも余韻に浸れます。
ピザ窯の隣には学さん手作りの燻製機もあるのです。釣ってきた鮭などは、これで燻製にするようです。
極めつけはコレ!なんと、庭に五右衛門風呂まであるんです!!
ここを訪れた人の多くが羨ましく思う生活じゃないでしょうか。
「こんな暮らしいいですね」と言われるけど、そう思うならやればいいのにという学さん。
田舎LIFEに憧れて北海道に来てもここまで理想の暮らしが実現できる人はどれだけいるでしょう。
自分が欲しいものは自分で作ってしまう行動力に尊敬しかありません。
「地に足をつけて、なるべく自然に寄り添った田舎生活をしたい」
そんな夢を自分の力で実現している学さんは、かっこよすぎです!!!
「のんの畑北海道」のInstagramの投稿を見ていても、学さんの元にはたくさんの人が訪れてきているのがわかります。
ボランティアの方、記者の方、そして旅人など、初対面の人にも優しく接してくれる学さん。バックパッカーに宿を提供することもあります。
ワーホリ時代の友人などにトマトや鮭を送ったりして古くからの関係も大事にされています。
そんな方だから、学さんの周りには人が集まってくるんですね。魅力いっぱいでいつまでもお話を聞いていたい気持ちでした。
今後の「のんの畑」について
今後の「のんの畑」としては、個人のお客様でリピートしてくれる方を増やしていきたいとのこと。
今は毎日1.5人の人員で回しているようですが、個人対応となると労力ももっと必要となります。
繁忙期のボランティアやアルバイトも積極的に募集しているようですよ。
なるべく自然に寄り添った農業という点については、苗を育てる温床も踏み込み温床にチャレンジしていきたいとお話してくれました。
今後、まだまだ進化していきそうな「のんの畑」から目が離せません。
まとめ
- 「のんの畑北海道」は北海道当間町にあるトマト農園
- 農場主の川端学さんは「なるべく自然に近い農業を」ということにこだわりをもっている
- 不耕起栽培、無化学農薬、無化学肥料でたいせつに栽培
- メインの商品は「たいせつなトマト」
- 「たいせつなトマト」の販売時期は7月中旬〜10月中旬まで
繁忙期はアルバイトやボランティアも募集しているようなので、興味がある方は問い合わせてくださいね。
のんの畑北海道HP
https://nonnofield.jimdofree.com
のんの畑北海道Instagram
コメント